ドラマ「じゃあ、あんたが作ってみろよ」左利きカップルの演出・ご飯論争

人気ドラマ、「じゃあ、あんたが作ってみろよ」には、左利きのカップルが描かれています。

このドラマにおける左利きとは？と検索して、このページにたどり着いたあなたは、ドラマの感想や評判だけじゃなくて、左利きのドラマとしてどう描かれているのか、かなり気になっているはずですよね。

そして、このドラマの感想を追いかけているうちに、ご飯と味噌汁の位置がおかしくない？と感じた人も多いかなと思います。

特に、左利き当事者だと「自分の家の食卓と同じだ…」と妙にリアルに感じてしまったりしますよね。

特に、ドラマ「じゃああんたが作ってみろよ」におけるご飯の位置や配膳において、右左逆が話題になったことで、左利き当事者としては「これってアリなの？ナシなの？」とモヤっとした人もいるはずです。

竹内涼真さんも夏帆さんも左利きという、リアルも左利きな二人が主演ということで、左利きの描かれ方にはどうしても目が行きますよね。

しかも、単なるキャラ付けではなく、キッチンでの立ち位置や手の動きまで左利き前提で作り込まれているので、細かい部分が気になれば気になるほど深掘りしたくなる作品です。

この記事では、「じゃああんたが作ってみろよ」のドラマにおけるオムライスの名シーンや、左利きカップルならではの距離感を振り返りつつ、配膳が右左逆になっている背景や現実のマナーとの違いも考察・整理していきます。

ドラマファンとしてのワクワクと、左利きとしてのリアルな視点を両方混ぜながら、あなたのモヤモヤをほどいていくような内容にしていきます。

「左利きだからこそ共感できるポイント」と「右利きの人にも知ってほしい視点」を、できるだけ噛み砕いてお伝えしていきます。

＞＞原作漫画はAmazonなどにあります「じゃあ、あんたが作ってみろよ （1）」

「じゃああんたが作ってみろよ」における左利き考察

ここからは、ドラマ「じゃああんたが作ってみろよ」の基本情報を押さえつつ、左利きカップルならではの描かれ方や、ご飯位置をめぐる騒動を一つひとつ整理していきます。

単なる小ネタではなく、左利きの生活感とどうつながっているのかも掘り下げていきます。

ドラマを見たあなたが「あのシーンのあの動き、やっぱりそういう意味だったのか」と腑に落ちるような視点で解説していきます。

ドラマの感想と評判

まずは、ドラマ「じゃああんたが作ってみろよ」の感想や評判から。

放送開始直後から、X（旧Twitter）ではハッシュタグが連日トレンド入りし、「リアルすぎて笑えない」「元カレを思い出してしんどい」といった声が一気にあふれました。

恋愛ドラマというよりも、「価値観のぶつかり合い」や「ジェンダー観のアップデート」を描いた作品として捉えている人も多い印象です。

主人公の勝男は、「料理は女性が作るもの」と思い込んでいる昭和気質な完璧主義キャラ。

プロポーズの流れでその価値観をぶつけてしまい、鮎美にバッサリ振られるところから物語が動き出します。この価値観の古さに対して、視聴者からはツッコミと共感が同時に集まっているんですよね。

「こんな人本当にいる！！」「でもちょっと・・自分にも心当たりがある」といった、ちょっと耳が痛い感想も多く見かけます。

左利き視点から見た勝男と鮎美

一方で、左利きというポイントに注目して感想を読んでいくと、また違った面白さが見えてきます。

勝男も鮎美も左利きという設定なので、箸を持つ手、マグカップを持ち上げる手、スマホを操作する指まで、すべてが左優位で描かれているんですよね。（しかし、包丁使いの時は右で使っていたり・・？）

これに対して左利き視聴者からは「細かいけど嬉しい」「自分を見ているようでドキッとする」といったポジティブな感想が多く上がっています。私もそのうちの一人。

ドラマの感想を眺めていると、「価値観はムカつくけど物語としては面白い」「左利き描写の妙なリアルさにやられた」という二つの軸で語られていることが分かります。

左利きでない人からも、「普段意識していなかったけど、利き手ってこんなに生活に出るんだね」という気づきの声があり、単なる恋愛ドラマ以上の反響を生んでいると感じます。

左利きカップルドラマとしての魅力

ドラマで描かれる左利きカップルとして注目したいのは、「利き手をあえて説明しない」という距離感です。

作中での左利きに関する１番のシーンといえば、「実は二人とも左利きで〜」といった学生時代の回想場面。勝男と鮎美が大学の講義中に言葉を交わすシーンです。

文字を書くのは左、ボールを投げるのは二人とも右手、という会話。その共通点から二人の距離がグッと近づいていきます。

それ以外は、ほぼ左利きエピソードはなくカメラワークと所作でさりげなく見せているのが上手いところだなと感じています。視聴者に「ん？二人とも左で箸を持ってない？」と気づかせる余白があるのが良いんですよね。

キッチンシーンに滲む左利きらしさ

たとえば、キッチンで並んで作業するシーン。勝男も鮎美も同じ左手側にボウルを置いて作業するので、体の向きや立ち位置がかなりコンパクトに収まっています。

右利き同士だとぶつかりやすい動線が、左利きカップルだと逆向きになっていて、それが画面の雰囲気にも影響している感じがします。「自然と距離が近づく、でも仕事はスムーズ」という左利きカップルならではの空気感がよく出ています。

また、ペットボトルのラベルを読むときにボトルを回す方向とか、ドアノブを回す手の位置など、細かい仕草にも「利き手のクセ」がにじみます。

そういう積み重ねが、「左利き設定だから見せたい」のではなく、「この二人が本当にこの世界で暮らしている」感じを作っているように見えます。

不便さよりも「二人だけの世界」

左利きカップルドラマとして面白いのは、「不便さ」ではなく「二人だけの世界」を感じさせる演出が多いこと。

それをいちいち説明せず、画面の中だけのちょっとした関係として描いているのがとても素敵です。

「じゃあ、あんたが作ってみろよ」のご飯位置問題？

このドラマで一気に話題になったのが、ご飯の位置に関する騒動です。

第1話の食卓シーンで、ご飯と味噌汁の位置が一般的な和食マナーと逆になっていたことで、「配膳右左逆じゃない？」「仏壇式になってるけど大丈夫？」と視聴者からツッコミが集中しました。

ドラマの感想ツイートを見ていると、ストーリーより先に「まず配膳が気になる！」という声もあったくらいです。そこから一つ考えてみましょう。

和食マナーとしての基本形

和食マナーでは、基本的にご飯は左手前、味噌汁は右手前が標準とされています。

これは右利きでも左利きでも変わらない、と説明されることが多いです。

公的な資料でも、和食の配膳例として「向かって手前左にご飯、手前右に汁物」という並べ方が示されています（参考：出典：農林水産省『おうちで茶懐石！大切なのはお客様を思う心』）。

こうした背景があるので、ドラマの配膳を見た視聴者が「逆さ膳になっているのでは？」と心配になるのも自然な流れです。特に、和食マナーや仏事の作法に詳しい人ほど、反射的に違和感を覚えてしまったはずです。

ドラマの演出としての「逆」配膳

ドラマの配膳については、「左利きカップルだからあえて反転させた演出なのでは？」という見方と、「単純に小道具側のミスでは？」という見方が両方あります。

個人的には、テーブル全体のバランスやカメラの向き、二人の座り位置を考えると、「あえてこうした方が画面として落ち着いた」のかなという印象も受けます。

視聴者がここまで騒ぐということは、それだけ毎日の「ご飯の位置」が私たちの生活文化に根付いているという証拠でもありますよね。

「普段は気にしていなかったけど、言われてみればいつも左に置いているかも」と、自分の食卓を振り返った人も多かったのではないでしょうか。

配膳の右・左逆は左利き家庭あるある？

配膳右左逆というワードは、ドラマがきっかけで一気に広まりましたが、左利き家庭あるあるとしては正直「分かる…！」と頷くところも多いです。

家庭の食卓って、最終的には「食べやすい配置」が優先されるんですよね。マナー本に書いてあることと、実際の暮らしの中での最適解は、いい意味でズレていることが多いです。

家の中の「実用優先ルール」

たとえば、左利きの人が二人以上いる家庭だと、正式なマナー通りに並べてしまうと肘がぶつかり合って落ち着かなかったりします。

そこで、テーブルマナーよりも「毎日のストレスを減らすこと」を優先して、自然と配膳をアレンジしているパターンはかなり多いです。

ご飯と汁物の位置を変えたり、家族ごとにプレートを使ったり、そもそも定食スタイルではなくワンプレートにしてしまうこともありますよね。

左利き家庭のヒアリングをしてみると、「外ではマナー通り、家では自分流」という声がとても多いです。要するに、「場」に合わせて配膳スタイルを切り替えるという考え方ですね。

フォーマルな席や来客時にはマナーを意識しつつ、日常の食卓では肘がぶつからない配置を優先する、というバランスが現実的かなと思います。

左利き家庭の配膳パターン比較

イメージしやすいように、一般的な配膳と、左利き家庭でよくあるアレンジの例をざっくり表にしてみます。

どれが絶対正しい、という話ではなく、「誰がどの席に座るか」「テーブルの広さ」「家族構成」などによってベストな配置は変わります。大事なのは、「みんなが気持ちよく食べられるかどうか」ですよね。

配膳の基本や逆さ膳の考え方については、左利きはご飯の位置はどっちに置くのが正解？配膳方法やマナーを徹底解説で、左利き目線でかなり詳しくまとめています。

ドラマでの配膳を見るときの参考にもなるはずです。

「じゃあ、あんたが作ってみろよ」の元ネタ解説

このドラマの元ネタは、谷口菜津子さんの同名漫画です。

＞＞原作漫画はAmazonなどにあります「じゃあ、あんたが作ってみろよ （1）」

原作漫画では、勝男と鮎美の利き手については特に描写されていません。

二人が左利き同士という設定は、ドラマ版で新たに強調されたオリジナル要素として機能しており、カップルの距離感や食卓シーンの演出に活かされているようです。

原作漫画に描かれたリアルな生活感

原作漫画では、勝男と鮎美の利き手については特に強調されておらず、いわゆる左利きあるあるが前面に出てくるわけではありません。

漫画の一コマからも二人の箸遣いの描写から、右手を使っているということを確認できます。

その代わりに、同棲カップルの生活費のやりくりや、家事分担のモヤモヤ、仕事帰りの疲れたテンションでのケンカなど、日常の空気感がとてもリアルに描かれています。読んでいると、「こういう会話、現実でも普通にあるよな……」と妙に刺さる場面が多いんですよね。

料理シーンも、細かい手元の利き手というよりは、「片方だけが台所を回しているしんどさ」や、「作った側のちょっとした不満」「食べる側の無自覚な一言」といった、人間関係の温度感にフォーカスが当たっています。

だからこそ、左利きの読者が自分の暮らしを重ね合わせて読んでも、「利き手そのもの」ではなく、家事と価値観のすれ違いというテーマで共感できるつくりになっているんだと思います。

一方で、ドラマ版ではここに左利きという要素が乗ってきます。

たとえば調理シーンでの立ち位置や手の動きが映像として見えるぶん、「あ、ここ左利きだからこうなっているんだな」と気づきやすくなっています。（不思議なことに、竹内涼真さんの演技では、包丁は右で扱いつつ、食べる時の箸は左手というカットもあり、現実の癖と役柄をどう折り合わせているのかを想像するのも楽しいところです）

ドラマ版は、原作の生活感やちょっとビターな空気を大事にしつつ、映像ならではの表情や所作で補強している印象です。

セリフとして語られない感情を、ちょっとした手の止まり方や、視線の動きで伝えようとしているところに、「左利き描写へのこだわり」というよりは、「日常のディテールを大事にする姿勢」が感じられます。

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原作とドラマの違いを楽しむコツ

左利き当事者として面白いのは、「原作にはほぼなかった利き手の要素」が、ドラマでは画面づくりの中にさりげなく組み込まれているところです。

原作の軸になっているのはあくまで、家事とジェンダー観、価値観のズレと向き合う二人の関係性。その骨格はそのままに、ドラマではそこへ左利き設定や配膳の向き、キッチンでの立ち位置などを乗せて再構成しているイメージです。

原作ではコマ割りと吹き出しでテンポよく描かれていたケンカのシーンや、モヤモヤを抱えたまま食卓につくシーンが、ドラマでは「どちら側に座るか」「どの手で器を持つか」といった要素も加わって立体的になっています。利き手の描写は原作の再現というよりも、ドラマが独自に加えたスパイスに近い感覚ですね。

なので、原作を読んでからドラマを見ると、「この台詞はこういう間で言わせたのか」「この沈黙のワンカットをこう左利きの所作で見せたのか」といった二度おいしいポイントがたくさん見つかります。

逆にドラマから入った人が原作を読むと、「あのシーンの元はこんなにセリフ量が少ないんだ」「コマの運びがこんなにテンポ良かったんだ」と、新しい発見があると思います。

どちらも、左利きの生活を直接テーマにしているわけではありませんが、ドラマ版で加えられた左利きの要素をきっかけに、「自分の暮らしの当たり前って、本当に当たり前なのかな？」と立ち止まらせてくれる作品になっているのが嬉しいポイントですね。

原作とドラマ、それぞれの良さを意識しながら見比べると、より深く楽しめるはずです。

「じゃああんたが作ってみろよ」の左利きエピソードまとめ

ここからは、キャスト本人の左利きエピソードや印象的なオムライスシーン、配膳位置のリアルなところまで、本ドラマでの左利きに関する話題を総ざらいしていきます。

ドラマを既に見た人も、これから見ようかなという人も、左利き視点での「推しポイント」を整理しておきましょう。

「ここを見ておくと、左利きネタがもっと楽しめるよ」というポイントを、少し先回りしてお伝えしていきます。

竹内涼真さんの左利きエピソード集

竹内涼真さんが左利きという事実は、以前からファンの間では有名です。

バラエティや雑誌の撮影でも、サインを書くときや箸を持つときに自然と左手を使っていて、「あ、やっぱり左なんだ」と安心する瞬間が何度もありました。

利き手を隠すのではなく、そのまま出してくれている感じがして、同じ左利きとしてはちょっと誇らしいですよね。

日常動作に見えるリアルさ

ドラマでは、その左利きがキャラクターの説得力にもつながっています。

料理シーンの仕草や（包丁を握る手はなぜか右手の描写がチラリ・・包丁は右？）、スマホを操作するときの指の動きなどが、いかにも「利き手でやっている」自然さなんですよね。利き手を無理に演技で変えようとすると、どうしてもぎこちなさが出やすいのですが、このドラマではその違和感がほとんどありません。

特に、包丁を扱うシーンは見どころです。左利きが右利き用の包丁を使うと、刃の研ぎ方や峰の形状の関係で、どうしても切りにくさが出てしまいます。

でも、ドラマの中で勝男が悪戦苦闘しながらも頑張っている姿には、「あ〜、あの抵抗感、わかる！」と共感した人も多いはずです。

左利きの不便さと成長物語

左利きの不便さやモヤモヤについては、右利きにはわからない左利きの不便さとデメリットまとめでも詳しく触れていますが、勝男の成長物語と重ねて読むとまた面白いです。

右利き前提の世界で、左利きとしてどう工夫するか、どこまで合わせるか、どこからは自分のやり方を通すか――このバランス感覚は、左利きなら誰もが一度は考えたことがあるテーマだと思います。

ドラマの勝男は、最初はかなりガチガチの価値観を持っていますが、料理に挑戦していく中で、道具の扱い方や段取りの組み立て方を少しずつアップデートしていきます。

そこに、「左利きとして生きていくこと」と「人としてアップデートしていくこと」がふんわり重なって見えてくるのが、この作品の面白さかなと思います。

夏帆さんの光る繊細な左利き演技

夏帆さんの左利きは、プロフィールでもしっかり公表されているポイントです。

鮎美というキャラクターは、料理上手で気配りもできるけれど、自分の価値観はちゃんと守るタイプ。

その強さと繊細さを、左手の使い方やキッチンでの立ち振る舞いで表現しているのが本当に上手いなと感じます。あなたも、彼女のちょっとした動きに注目して見ると、印象がガラッと変わるはずです。

料理シーンに宿る説得力

たとえば、野菜を切るときの包丁の扱い方。（夏帆さんの演出も包丁は右手。実際はどちらなのでしょう・・？）

右手で包丁を持ちながら、左手の添え方がすごく丁寧。ここに「普段からこの体の使い方をしている人」のリアリティがにじんでいて、ただの「料理が上手そうな役」ではなく、「本当にこのキッチンで生きてきた人」に見えるんですよね。

鍋をかき混ぜるときも、左手で柄を持ちながら、右手はさりげなく鍋つかみを押さえていたりして、「あ、この人はいつもこのキッチンに立っているんだろうな」と感じさせてくれます。

左利きの人が自分のクセをそのまま役に落とし込んでいるからこそ出てくる細かさです。

左利きロールモデルとしての夏帆さん

左利きの女優が、左利きのままで日常を演じるドラマはまだまだ多くありません。

そういう意味で、夏帆さんの演技は左利き当事者にとっても、大きな「ロールモデル」になり得ると感じています。

「左利きでも、こんなに自然で美しい所作ができるんだ」という具体的なお手本として見られるのが嬉しいところです。

もしあなたが左利きで、「自分の手の動きにちょっとコンプレックスがある…」と感じているなら、夏帆さんの所作を真似してみるのも一つの方法です。

箸の持ち方、包丁の握り方、器の置き方など、ちょっとしたポイントを真似るだけでも、キッチンに立つときの自信が変わってくるかもしれません。

「じゃああんたが作ってみろよ」に出てくるオムライスシーン

オムライスの回は、左利き視点でもかなり名シーンです。

勝男と鮎美が一緒にキッチンに立って、オムライスを作る過程が丁寧に描かれているのですが、自然に左手でフライパンを振り、左手でケチャップ文字を書くんですよね。ここに、左利き同士のシンクロ感がぎゅっと詰まっています。

左利きならではのキッチン動線

フライパンの柄を持つ向きや、ボウルを置く位置が左利き仕様になっているので、キッチンの中で二人がスムーズに動けています。

右利き同士の料理シーンだと、どうしても「右手同士がぶつかる」問題が出がちですが、左利きカップルだと動線の重なり方がまた違うんですよね。カメラの外側でどんな工夫がされているのか想像するのも楽しいシーンです。

また、卵を割るときに左手で殻を持ってコンコンと当てる動きも、左利きの人にはおなじみの所作。

ドラマの中では一瞬で流れていきますが、そういう細かい動きを拾っていくと、左利きのリアルさがグッと上がっているのが伝わってきます。

ケチャップ文字に宿る気持ち

ここでポイントなのは、「左利きだから失敗する」という描き方をしていないこと。

焦げたり、形が崩れたりするのは、あくまで勝男の不慣れさやメンタルの揺れが原因であって、左利きはその人の個性としてさらっと扱われています。これは左利き当事者として、とても嬉しい描き方です。

オムライスに乗せるケチャップの文字も、左手で書くと、線は左から右に流れていくので、微妙に線の入り方が変わるのですが、それがまた味になっているんですよね。

左利きで文字を書くときの癖に共感している人ほど、「このケチャップの線、分かる〜」となったはずです。

あなたも、もしオムライスを作る機会があれば、ドラマを思い出しながら左手でケチャップ文字を書いてみてください。きっと少しだけ、ドラマの世界に近づけると思います。

ドラマで話題になっている配膳位置の検証

改めて、ドラマにおける配膳の位置を検証してみると、「完全にマナー無視」というよりは、左利きカップルの生活感と、テレビ的な見栄えのバランスを取ろうとした結果にも見えてきます。

制作サイドの意図までは断言できませんが、画面をじっくり見ると「ここはこだわって反転させたのかも」と感じる点がいくつかあります。ちょっと考察してみましょう。

カメラ位置と画面構図の視点

まず、カメラの角度やテーブルのサイズの関係で、「ご飯を右に置いた方が画面として収まりがいい」という判断があった可能性は十分あります。

手前右側に白いご飯茶碗が来ることで、画面の明るさバランスが整いやすくなりますし、左側に味噌汁の湯気がふわっと上がる構図は、映像としても魅力的です。

それと同時に、左利きの二人がテーブルについたとき、ご飯を持ち上げる動きがカメラにしっかり映るよう、あえて位置を調整しているようにも見えます。

こうした演出上の都合と、左利き設定が重なった結果、一般的な和食マナーとは違う形の配膳になっているのかもしれません。

家庭での「マイルール」との付き合い方

とはいえ、現実の食卓ではやはり、ご飯の位置をどうするか悩む左利き家庭は多いです。左利きのご飯の位置と配膳マナーの記事でも触れていますが、「マナーを守るか」「食べやすさを優先するか」は、状況によって柔軟に考えるのがおすすめです。

ドラマの配膳位置検証をきっかけに、自分の家ではどうするか、家族と話し合ってみるのも面白いと思いますよ。

「普段は食べやすさ優先、来客時はマナー優先」といったルールを決めておくと、誰かが気まずい思いをする場面も減らせます。

あなたの家庭にとっての心地よいバランスを見つけるヒントとして、ドラマの配膳位置をネタにしてみてください。

左利きにおける俳優陣を考察

じゃああんたが作ってみろよ左利き俳優陣という観点で見ると、主演の二人がリアルに左利きというのはかなりレアなケースです。

キャスティングの段階で利き手まで意識されたのか、結果的にそうなったのかは別として、「利き手を変えさせない」選択がされたこと自体が嬉しいポイントだと感じています。

右利き前提の現場で左利きを通す意味

普段のドラマや映画では、右利き前提の小道具やセットが多いので、左利き俳優がさりげなく右手を使わざるを得ない場面も少なくありません。

カメラの位置やライトの関係で、「その手で持ってもらえると助かる」と言われてしまうこともあるはずです。

その中で、この作品は「左利きのまま自然にそこにいる」という画作りをしてくれている印象があります。

左手で箸を持ち、左手でペンを走らせ、左手でフライパンを振る――こうした当たり前の動きが、何の説明もなく画面に出ていること自体が、小さな意味を持っていると思うんですよね。

左利き当事者へのメッセージとして

左利き当事者としては、こうした作品が増えることで、「左利き＝矯正しなきゃいけないもの」という空気が少しずつ薄れていくといいなと思っています。

日常の不便さへの向き合い方は、左利きの箸の持ち方とマナーの解説などもあわせて読むと、より具体的なイメージがつかめるはずです。

「じゃああんたが作ってみろよ」における左利き俳優陣の存在は、「自分の利き手のままで、ちゃんと主役になっていいんだよ」という静かなメッセージでもあると思います。

ドラマを楽しみながら、そのメッセージも一緒に受け取ってもらえたら嬉しいです。

左利きドラマ？「じゃああんたが作ってみろよ」のポイントまとめ

最後に、本ドラマにおける左利きに関するポイントをまとめておきます。

ドラマの中で左利きが大きく語られることはあまりありませんが、所作・配膳・キッチンでの距離感といった細部に、左利きのリアリティがしっかりと埋め込まれている作品だと感じています。

ご飯位置や配膳右左逆が話題になったのは、「マナーか、暮らしやすさか」という、私たち左利きが日常で直面しているテーマそのものでもあります。

ドラマをきっかけに、自分や家族にとってのちょうどいい配膳や道具選びを考えてみるのは、とても良いタイミングだと思います。

この記事で紹介した内容は、あくまで一般的な目安や一つの見方であって、「これが絶対の正解」というものではありません。

マナーや健康、安全に関わる部分については、正確な情報を公式サイトや専門機関で確認し、最終的な判断はご自身で決めてくださいね。

特に、仏事やフォーマルな場の作法に不安がある場合は、自己判断だけで動かず、必ずプロの意見を聞くようにしましょう。

とはいえ、このドラマで描かれている左利きのシーンをきっかけに、あなた自身の左利きライフを少しでも心地よくできたなら、とても嬉しいです。

＞＞原作漫画はAmazonなどにあります「じゃあ、あんたが作ってみろよ （1）」

これからもレフティラボでは、ドラマや日常のちょっとした違和感をヒントに、左利きの可能性を一緒に掘り下げていきます。気になるテーマがあれば、ぜひ周りの左利き仲間にもこの記事を教えてあげてくださいね。