「左利きの自分は、ギターを左用と右用のどっちで始めればいいんだろう」って、いざギターを買おうとした瞬間に足が止まりますよね。楽器屋さんに並んでいるのはほとんど右利き用で、左用ってそもそも売ってるの?高いんじゃない?と、疑問がどんどんふくらんでいくかなと思います。
しかもネットで調べると「左利きならば、絶対レフティにしろ」派と「右で持て」派がまっぷたつで、余計に迷ってしまう。ここ、本当にモヤモヤしますよね。
先に言っておくと、この問題に唯一の正解はありません。プロや指導者でも意見が割れていて、右用から左用に乗り換えた人も、その逆も、どちらも普通にいます。
だからこそ大事なのは、雰囲気で決めずに「自分の条件」で選ぶこと。この記事では、両手がそれぞれ何をしているのか、あなたの利き手をどう見極めるか、そして左用ギターの入手性や価格、教則本の反転問題、有名プレイヤーの弾き方、メーカー別の左用ラインナップと買い方まで、まるっと整理していきますね。読み終わるころには、自分がどっちで始めるべきか、すっと決められるはずですよ。
- 左利きがギターを左用と右用どちらで始めるべきかの判断材料
- フレット側とピッキング側で利き手がどう関わるかという仕組み
- 左用ギターの入手性や価格、教則本の反転といったリアルな事情
- ポールやジミヘンら有名プレイヤーの弾き方とメーカー別の選び方
左利きは右用ギターと左用、どっちで始める?

まずは一番の悩みどころ、「左利きは右用ギターと左用ギターのどっちで始めるべきか」を落ち着いて分解していきましょう。ここでは、そもそも左用ギターって何なのかという定義から、右用・左用それぞれのメリットと注意点、そして意外と知られていない「両手の役割」の話、さらに自分の本当の利き手を見極める方法までを順番に見ていきます。感情論ではなく、判断材料をそろえるイメージで読んでみてくださいね。
そもそも左用ギターとは何か
最初に言葉を整理しておきましょう。左用ギター(レフティギター)とは、右利き用のギターを左右対称にひっくり返して作られた、左利きのための専用設計のギターのことです。ここで勘違いしやすいのが、「右用を逆さに持てば左用になるんじゃないの?」という点なんですが、これは別物なんですね。(なお、ジミーヘンドリクスは、右用のギターを使って、左用になるように弦を張って使っていたとのこと)
ポイントは弦の並びです。左用ギターは、構えたときに一番太い低音弦(6弦)が上、一番細い高音弦(1弦)が下に来るように作られていて、この並び順は右用と同じ。つまり「利き手が逆になっただけで、弦の上下関係は右用とそっくり同じ」なんです。ところが、右用ギターをそのままクルッと逆さに持つと、太い弦と細い弦の上下がひっくり返ってしまいます。左用ギターと「右用の逆持ち」は、見た目こそ似ていても弦の並びがまったく違うので、ここは最初に押さえておきたいところです。
ざっくり整理するとこうです。
- 左用ギター=右用を鏡写しにした専用設計。弦の並びは右用と同じで、教則本もそのまま読める
- 右用の逆持ち=弦の並びが上下逆。ジミヘンなどが弦を張り替えて弾いた特殊なスタイル
また、アコースティックギターのように左右対称に近い形のものは、向きの影響が比較的小さいのですが、エレキギターはボディがえぐれていたり(カッタウェイ)、腕を乗せる部分が斜めに削られていたり、ピックアップが斜めに配置されていたりと、左右非対称に作られています。だからエレキでは「左用かどうか」が弾き心地にわりと効いてくるんですね。まずは「左用=ミラー設計の専用品」というイメージを持っておくと、このあとの話がスッと入ってきますよ。
右用で始めるメリットと注意点
では、左利きの人が「あえて右用で始める」場合のメリットから見ていきましょう。じつはこれ、選ぶ人がすごく多い現実的な選択肢なんです。
最大のメリットは、選べるモデルが桁違いに多いこと。世の中に流通しているギターの大半は右用なので、価格帯もデザインも選び放題です。次に大きいのが、教則本・タブ譜・レッスン動画をそのまま使えること。ギター教材は基本的に右利き向けに作られているので、右用で始めればいちいち左右を反転して考える必要がありません。さらに、友だちのギターやスタジオ・お店の試奏ギターも十中八九が右用なので、どこでもサッと弾けるという強みもあります。
「でも利き手じゃない右手でピッキングするのって不利なんじゃ?」と思いますよね。ここが面白いところで、左利きの人はフレットを押さえる左手(=細かい運指をする側)に利き手を使えるので、むしろ最初のコード習得がスムーズという見方もあるんです。実際、左利きでも右用で不自由なく弾いているギタリストはたくさんいます。
注意点は、やっぱり利き手でピッキングやストロークをしない構えになること。リズムや強弱をコントロールする側を非利き手が担うので、そこに違和感が残る人もいます。こればかりは相性なので、「みんな右用で平気らしいから」と決めつけず、次に紹介する左用のメリットとも見比べてくださいね。
ちなみに「左利きなのに右用で弾くのは、利き手を矯正しているみたいでイヤだ」と感じる必要はまったくありません。右用を選ぶのは矯正ではなく、あくまで構えのスタイルを選んでいるだけ。あなたの利き手が変わるわけではないので、そこは安心してくださいね。
左用で始めるメリットと注意点
続いて、左用ギターで始めるメリットです。「絶対レフティ派」の人たちが推す理由には、ちゃんと筋が通っています。
一番のメリットは、利き手でピッキング・ストロークができて、自然に構えられること。リズムや強弱、ニュアンスをつける側を器用な利き手が担当できるので、「しっくりくる」「弾いていて気持ちいい」と感じやすいんですね。約1年ほど右用で頑張ったあと左用に切り替えたら、急に自信がついて練習が楽しくなった、という人の声もあります。ここ、地味だけどモチベーション維持にすごく大事なポイントかなと思います。
もうひとつ見落とされがちなのが、右利きの先生と向かい合ったときに、動きが鏡写しになって見やすいこと。左利きの生徒と右利きの講師が正面で向き合うと、お互いの手がちょうど鏡のように左右対称になるので、指の押さえ方やストロークの動きをそっくり真似しやすいんです。子どもにギターを習わせたい親御さんにとっては、これは意外と大きな利点ですよ。
一方で注意点もあります。左用は種類が少なく、価格も割高になりがちで、店頭で試奏できる本数も限られます。さらに教則本や動画は右利き前提のものが多いのですが、左用で構える分には「利き手側の解説」を素直に読めるので、逆持ちほどの混乱は起きにくいとも言われています。入手性のハードルさえ越えられれば、快適さの面ではかなり有利、という整理になるかなと思います。
フレット手とピッキング手の役割
「結局、右手と左手ってどっちが大事なの?」という疑問、ここで整理しておきましょう。これを知ると、左利きの右用問題がぐっと冷静に考えられるようになりますよ。
ギターは、両手がまったく違う仕事をしています。フレットを押さえる手(フレット手)は、コードを押さえたり、弦の上を移動したり、ハンマリングやスライドといった細かい動きを担当します。一方で弦を弾く手(ピッキング手)は、リズムを刻み、音の強弱や音色を作る担当です。そして面白いのが、始めたばかりの初心者の時期はフレット手の負担が大きいのに、上達するにつれてピッキング手の技術の比重がどんどん増していくという点なんですね。
ここで「フレット手=細かい仕事」を裏づける、ちょっとすごい研究を紹介させてください。ドイツの研究チームが、バイオリンやギターなどの弦楽器奏者の脳を調べたところ、フレットを押さえる左手の指に対応する脳(体性感覚野)の領域が、楽器をやらない人より大きく広がっていたそうです。しかも右手の指ではその差が見られず、演奏を始めた年齢が早い人ほど、その拡大が大きかったとのこと。つまり、フレット側の繊細な訓練は、それだけ脳に深く刻まれるほど高度な作業だということなんです。
この研究は「右利き向けの構え(=左手がフレット側)」の奏者を対象にしたものですが、視点を変えると面白い示唆があります。左利きの人が右用ギターを選ぶと、この繊細なフレット作業を利き手(左手)で担えるわけです。だから「左利きが右用を弾くのは不利」と一概には言えない、というのがフェアな見方かなと思います。もちろん逆に、利き手でピッキングしたい人は左用が向いています。どちらの手を主役にしたいか、なんですね。
(出典:Elbert et al.「Increased cortical representation of the fingers of the left hand in string players」Science, 1995年 PubMed掲載の研究報告)。なお、この種の研究はあくまで一般的な傾向を示すもので、個人の上達や向き不向きを保証するものではありません。最終的には自分で弾き比べた感覚を大切にしてくださいね。
あなたの利き手を見極める方法
ここまで読んで「そもそも自分ってどれくらい左利きなんだろう?」と気になった人、いい着眼点です。じつは利き手って、白か黒かできっぱり分かれるものではなく、人によってグラデーションがあるんですね。
たとえば字は左で書くけれど、ボールを投げるのは右、ハサミは右、という交差利き(クロスドミナンス)の人はけっこう多いです。だから「左利きだから絶対に左用」と機械的に決めるより、ギターを構えたときにどちらの手でリズムを刻む方がしっくりくるかを、実際に試して確かめるのが一番確実です。
具体的なおすすめは、楽器店で右用と左用を数分ずつ持たせてもらうこと。そのとき、コードが押さえやすいかよりも、右手(または左手)でジャカジャカとストロークしたときに、リズムが安定して気持ちよく振れるのはどっちかに注目してみてください。ピッキング側は上達するほど重要になる部分なので、ここの体感を優先すると後悔が少ないですよ。
迷ったときのチェックの順番はこんな感じです。
- 字を書く・箸を持つ手だけでなく、投げる・ラケットを振るなどの利き手も思い出す
- お店で右用・左用の両方を構え、ストロークが安定する側を体で確かめる
- それでも五分五分なら、教材の豊富さ・入手性で決める(多くの人は右用が無難)
ちなみに、左利きが実際どれくらいの割合なのかが気になった人は、左利きの割合を国際比較でまとめた記事ものぞいてみてください。自分がどれくらいの少数派なのかが分かると、左用が少ない理由にも納得がいくはずですよ。自己判断で決めきれないときは、通っている、あるいは体験に行くギター教室の先生に相談してみるのも手です。
左利きは右用だと弾けないは誤解
最後に、この章で一番伝えたいことを。「左利きは右用ギターだとちゃんと弾けない」というのは、はっきり言って誤解です。ここ、不安に思っている人が多いので、しっかりお伝えしますね。
実際には、左利きでも右用ギターで問題なく弾いているプレイヤーは山ほどいます。利き手じゃない側でピッキングすることになっても、練習を重ねれば自然と体が慣れていきますし、「最初はちょっと不器用なくらいの方が、丁寧に練習するから逆に上達が早いかも」なんて声もあるくらいです。右用か左用かは「弾けるか弾けないか」の問題ではなく、「どっちが自分に快適か」の問題だと考えると、肩の力が抜けるかなと思います。
そもそも「利き手=プレイする向き」とも限りません。左利きでも右用を弾く人がいる一方で、右利きなのに左用スタイルで弾く人だっています。利き手とギターの向きは、必ずしも一致させなきゃいけないものではないんですね。この「利き手と構えは別物」という感覚については、右利きなのに左で弾くサウスポーについて掘り下げた記事も参考になりますよ。
大事なのは、左利きを「ギターに不利な体質」だとか「右に直した方がいい」なんて思い込まないこと。左利きはただの個性で、矯正するようなものではありません。右用を選ぶのも左用を選ぶのも、どちらも立派に正解です。自分が長く楽しく続けられそうな方を選べば、それでOKなんですよ。
左利きの左用ギター、入手性と選び方

ここからは、いよいよ現実的な話。左利きが左用ギターを選ぶとなったときに気になる、「本当に少ないの?高いの?」という入手性と価格、右用を左用に改造できるのかという疑問、そして左用や逆張りで弾いた有名ギタリスト、メーカー別の定番モデル、最後に買い方と最終判断までを一気に見ていきます。ここを読めば、左用ギターの世界の解像度がぐっと上がりますよ。
左用ギターは少なく割高なのか
まず、左用ギターが「少なくて割高」というウワサ、これは半分本当で半分は誇張、という感じです。
少なさについては、残念ながら本当です。世界の人口に占める左利きの割合は、複数の研究をまとめた大規模なメタ分析でおよそ10.6%(定義の厳しさで9.3〜18.1%の幅)とされています。だいたい10人に1人ですね。作り手からすれば、需要が1割程度しかない左用は生産本数を絞らざるを得ないので、右用に比べてモデル数も店頭在庫も圧倒的に少なくなるという構造なんです。こだわって選びたくても選択肢が限られる、というのは覚悟しておいた方がいいかなと思います。
価格については、「左用は右用より2割ほど高い」と説明されることもありますが、これはモデルやメーカーによってかなり差があります。同じブランドの同じモデルでも左用だけ値段が違うケースがある一方で、ギブソンのように左用と右用をまったく同じ価格で出しているメーカーもあるんです。なので「左用=必ず割高」と決めつけるのは正確ではありません。
| 項目 | 右用ギター | 左用ギター(レフティ) |
|---|---|---|
| モデル数・在庫 | 非常に多い | かなり少ない(取り寄せ中心) |
| 価格 | 基準 | 同価格〜やや割高(メーカー次第) |
| 教則本・動画 | そのまま使える | 利き手側の解説を素直に読める |
| 試奏のしやすさ | どこでも可 | 専門店・取り寄せが中心 |
とはいえ、入門用として選択肢が十分にあるのも事実です。まずは無理なく買える範囲で一本、というなら、左利き向けのレフティギター(Amazon)のラインナップをのぞいてみると、価格帯のイメージがつかめますよ。価格や在庫は変動するので、最新の情報は各販売店で確認してくださいね。
右用を左用に張り替えできるか
「じゃあ安い右用を買って、弦だけ張り替えて左用にすればいいんじゃない?」——これ、誰もが一度は考えますよね。ただ、結論から言うと弦を張り替えるだけでは、ちゃんとした左用にはなりません。ここは知らずにやると失敗するので、丁寧に説明しますね。
まずエレキギターの場合。弦の順番を逆にするだけだと、弦を受ける溝(ナット)の幅が合わなくなるので、最低でもナットの交換が必要です。さらにブリッジ側もオクターブピッチ(音程)の調整が要ります。低音弦と高音弦の位置が入れ替わるだけなので不可能ではありませんが、それなりの手間とコストがかかります。
やっかいなのがアコースティックギターです。アコギはナットに加えて、弦の音程を補正するためのサドルが斜めに設計されているので、これも作り直しが必要になります。さらに深刻なのが内部の「ブレーシング(力木)」で、これは太い低音弦の強い張力と細い高音弦の弱い張力に合わせて左右非対称に組まれているんです。弦の順番を逆にすると、この力のバランスが崩れて、長い目で見るとボディが歪んだり音に影響が出たりするリスクがあります。
「ブレーシングの非対称なんて影響は小さい」と言う職人さんもいて、実際に変換しても音は変わらなかったという例もあります。とはいえ、ナットやサドルの作り直しは素人には難しい作業。安易な自己改造はおすすめせず、やるならリペア工房や専門店に相談するのが安全です。特にアコギは、最初から左用を買った方が結果的に安上がりなことも多いですよ。
ちなみに、あのジミ・ヘンドリックスは、右用のストラトを上下ひっくり返して(ペグが下に来るように)弦を張り替えて弾いていたことで有名です。逆さにしたことで斜めのピックアップが高音弦側に効いて、独特の甘い音になったという副産物もあったとか。ただしこれは弦の並びが逆になる特殊なスタイルで、教則本とも合わなくなるので、これからギターを始める初心者にはおすすめしません。
左用や逆張りの有名ギタリスト
左用ギターって、なんだかマイナーで頼りない…と思っていませんか?とんでもない。音楽史に名を刻む伝説的なプレイヤーたちが、堂々と左用や独自スタイルで弾いてきたんです。ここを知ると、左用への見方がちょっと変わりますよ。
左利きのギタリストの弾き方は、大きく3つのタイプに分かれます。
- ①左利き×真正の左用……ポール・マッカートニー、トニー・アイオミ(ブラック・サバス)、カート・コバーン(ニルヴァーナ)など。ちゃんと左用の楽器を使うタイプ
- ②左利き×右用を逆弦で……ジミ・ヘンドリックス、ディック・デイル、アルバート・キングなど。右用を逆さにして弦を張り替えるタイプ
- ③右利きだけど左で弾く……利き手とプレイの向きは必ずしも一致しない、という逆パターンも存在します
なかでも象徴的なのがポール・マッカートニーです。彼は左利きで、1961年にドイツのハンブルクで左用のヘフナー500/1バイオリンベースを、なんと当時30ポンドで購入しました。これがビートルズ初期を支えた名機です。ここで面白いのが、「ポールは右用を買って左用に改造した」という説はまったくの誤りだということ。このベースは構造上、表板をまるごと作り替えないと左右変換できず、彼の注文以前に左用の500/1が作られた記録もないんです。左用は特殊でも、一流が本気で選ぶ楽器なんですね。
国内に目を向けると、甲斐よしひろさんや松崎しげるさんのように、左利きで右用ギターを逆持ちして弾くタイプが紹介されることが多いです。これは当時、左用ギターが少なく高価だったという事情も背景にあります。一方で、左利きでも右用をそのまま右利きと同じように弾いているアーティストもいると言われます(芸能人の利き手や奏法は公表情報が限られるので、あくまで一例として受け取ってくださいね)。
「ギターじゃなくてベースが気になってきた」という人もいるかもしれません。ベースも左用の選択肢はちゃんとあって、たとえばFenderの左利き用ベース(Amazon)のような定番も手に入ります。左用の世界は、ギターだけじゃないんですよ。
メーカー別レフティの定番モデル
「少ないとは言うけど、じゃあ具体的にどのメーカーが左用を出してるの?」という疑問に、ここでまとめて答えますね。じつは、名の知れた大手はちゃんと左用を公式ラインに持っています。
| メーカー | 左用の代表例 | ひとことメモ |
|---|---|---|
| Fender | ストラトキャスター/テレキャスターの左用 | 入門寄りのPlayer II(実勢8〜10万円台)から上位・カスタムショップまで |
| Gibson | レスポール、SGの左用 | 左用も右用と同価格とされるのが良心的 |
| Yamaha | アコギ FG820L | スプルース単板トップの本格入門機。右用FG820と同スペック |
| Ibanez | GIO GRG170DXL、RGシリーズ | ロック・メタル志向の入門左用も充実 |
| Höfner | 500/1 バイオリンベース | ビートルズ由来の左用ベースの定番 |
エレキならFenderが王道で、ストラトとテレキャスの左用が、手を出しやすいPlayer IIシリーズから最上位のカスタムショップまで幅広くそろっています。GibsonもレスポールやSGの左用を公式展開していて、しかも左用が右用と同じ価格というのがうれしいところ。アコギ派にはヤマハのFG820Lが心強い一本で、スプルース単板トップのドレッドノートという、右用の人気機FG820とほぼ同じ中身の左用が正規に手に入ります。速弾きやメタルをやりたい人にはアイバニーズのGIOやRGシリーズに左用があり、入門機のGRG170DXLは左用の定番として公式サイトにも載っています。
こうして見ると、「左用=選択肢がない」わけでは決してないと分かりますよね。数は右用より限られますが、王道ブランドの定番モデルなら、ちゃんと左用が用意されているのが今の状況です。(出典:Fender公式 左利き用ギター一覧)。ただし各社のラインナップ・価格・在庫は時期によって変わるので、購入前には必ずメーカー公式や販売店で最新情報を確認してくださいね。
左利きが左用ギターを選ぶ最終判断
いろいろ見てきましたが、最後に「左利きが左用ギターを選ぶかどうか」の最終判断を、実践的なステップに落とし込んでおきますね。ここだけ読んでも動けるようにしておきます。
失敗しない決め方の2ステップ
- ステップ1:まず体で試す……楽器店で右用と左用を数分ずつ構えて、ストロークが安定して気持ちよく振れる側を体感する。頭で考えるより、手が答えを知っています
- ステップ2:条件で決める……予算・入手性(在庫や取り寄せ)と、教材や仲間との共有をどれだけ重視するかを天秤にかける。快適さ最優先なら左用、選択肢と手軽さ重視なら右用が無難
買う場所についても触れておきます。左用は店頭在庫が少ないので、通販が中心になりがちですが、実機を選んで買いたいなら専門店という手があります。東京・お茶の水の谷口楽器は、店舗を構える国内では数少ない左利き用ギターの専門店として知られていて、販売だけでなく修理や中古の売買も扱っています。試奏してから選びたい人は、こうした専門店を頼るのがおすすめですよ。
お子さんが左利きで習わせたい、という親御さんは、無理に右へ矯正しようとせず、子どもが快適に構えられるかと入手性のバランスで決めてあげてください。左用なら先生と向かい合ったときに動きが鏡写しになって真似しやすい、という指導上の利点もあります。将来手放すときのことを気にするなら、流通量の多い定番モデルを選んでおくと、中古でも買い手が付きやすいです(左用は市場が限られますが、人気ブランドやビンテージは価値を保ちやすい傾向があります)。
結局のところ、左利きのギターは左用と右用のどちらが正解ということはなく、あなたの体と生活に合う方が正解です。左用で始めるか右用で始めるか迷ったら、今日ここで紹介したステップで一度試してみてください。そして、費用や仕様は変わることがあるので最新情報は公式サイトや販売店で確認し、選び方に迷うときは楽器店のスタッフやギター講師といった専門家に相談するのが確実ですよ。あなたのギターライフが、気持ちよくスタートできますように。
