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左利きの割合は日本と世界で何%?調査ごとに数値が変わる理由

右利きと左利きの割合はどのぐらい?動物も?決まる仕組みを徹底紹介 才能・能力
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左利きの割合は、世界ではおおむね10人に1人が目安です。2020年の大規模な研究では10.6%と推定されています。日本にも左利き9.5%という調査結果がありますが、これは日本人全員を数えた数字ではありません。

ここ、気になりますよね。同じ「左利きの割合」でも、書く手だけを聞くのか、両利きや作業ごとに手を使い分ける人をどこに入れるのかで、数値が変わります。

この記事では、日本と世界の数字を出典・母数と一緒に確認し、調査結果を比べるときの注意点を整理します。

世界の左利きの割合は約10%が目安

右利きと左利きの割合と世界の傾向について

左利きは少数派ですが、約10%という数字は「何を左利きと数えたか」とセットで読むのが大切です。両利きなどを別枠にする調査では、左利きの割合を100%から引くだけで右利きの割合が求められるとは限りません。

約240万人のデータから推定した10.6%

世界ではどうなっている?

Papadatou-Pastouらの2020年の論文「Human handedness: A meta-analysis」は、200研究・262のデータセット、計2,396,170人を統合しています。左利きの全体推定は10.60%、95%信頼区間は9.71〜11.50%でした。エリートスポーツ選手を対象とする研究を除いた場合は10.4%です。出典は同論文の抄録と著者稿の結果・表3(PDF)です。

メタ分析は、複数の研究結果をまとめて推定する方法です。この10.6%は、世界の人口を一斉に調べた割合でも、すべての国で同じになる数字でもありません。また、対象は原則16歳超で、一部にはそれより若い参加者を含む集計もあります。赤ちゃんや幼児だけの調査とは分けて考える必要があります。

日常会話なら「左利きはだいたい1割」で十分なこともあります。一方、レポートなどで数字を使うなら、研究名と年、左利きの定義を添えると意味が伝わりやすくなります。

日本の9.5%は15〜59歳・500人の調査結果

国によっても違うの?日本と他国の左利きの割合を比較

日本の数字として確認できる一例が、インテージ「知るギャラリー」の2023年1月27日公開記事に掲載された調査です。図表1では、日本の回答者の右利きが88.5%、左利きが9.5%、両利きが2.1%となっています。

インテージの日本サンプルにおける利き手の割合

分類 割合
右利き 88.5%
左利き 9.5%
両利き 2.1%

出典:インテージ「知るギャラリー」2023年1月27日公開記事「日本人のスマホの持ち方は独特?―国際比較調査でみるスマホ操作の国別傾向―」の図表1・調査設計。割合の合計が100.1%になるのは、表示された値の丸めによるものです。

対象年齢とサンプルの集め方を確認

この利き手の図表は、11か国を比較するインターネット調査の一部です。対象はdataSpring社のモニターに登録した15〜59歳の男女で、日本の図表には500人と示されています。10代から50代の各年代に100人、男女各50人という設計で、回収数が設計を超えた場合は、設計に合わせて重みを調整する集計を行っています。

15歳未満や60歳以上を含まず、回答者もネットモニターです。したがって、「この調査では日本の左利きが9.5%だった」とは書けても、そのまま日本の総人口の確定値とは扱えません。元記事に載せた9.5%は、この条件を添えて読む数字です。

同じインテージ記事には、別の国内スマホ操作調査として「有効回答33,821人・分析対象20,385人」も載っています。この大きな母数を、図表1の左利き9.5%の母数と取り違えないようにしましょう。

世界の推定や国別ランキングとは条件が違う

日本の9.5%と世界の10.6%は、調査対象も集計方法も異なります。数字の差だけから「日本では左利きが少ない」「矯正が原因で1.1ポイント低い」と結論づけることはできません。

国別の比較でも、同じ調査・同じ対象年齢・同じ質問と分類で集計した数字かを確認したいところです。調査年や測り方が違う数字を並べたランキングでは、国の違いと調査方法の違いが混ざってしまいます。

調査によって割合が変わる3つの理由

右利きと左利きの割合が決まる理由とは

左利き・混合利き・非右利きを区別する

「左利き」と「右利きではない人」は、集計上の意味が違います。2020年のメタ分析では、分類方法に応じて分析を分けています。

2020年のメタ分析で分類を分けた場合の推定

分析で数えた人 推定割合 分析対象の人数
右・混合・左の3分類で「左」に入った人 9.34% 789,090人
右・左の2分類で「左」に入った人 10.20% 413,560人
右・非右の2分類で「非右」に入った人 18.10% 1,203,403人

出典:Papadatou-Pastouら(2020)、分析の定義と表3(PDF)。各行は異なる研究群の統合推定で、同じ人たちを3通りに数え直した実験ではありません。研究が複数の分析に含まれる場合もあるため、人数や割合を足し算する表でもありません。

18.1%をそのまま「左利きの割合」と紹介すると、混合利きなどを含む広い分類との違いが伝わりません。混合利きは作業によって好んで使う手が違うこと、両利きは左右の手を同程度に使えることを指す場合があります。ただし調査によって用語や判定基準が異なるため、「両利き」と書いてあれば同じ条件とは限らないのです。

書く手だけを聞くか、複数の動作を聞くか

「字を書くのはどちらの手ですか」と「あなたの利き手はどちらですか」では、聞いている内容が少し違います。たとえば、書くときは右手、投げるときは左手という人を、どこに分類するかで集計は変わります。

研究ではエディンバラ利き手質問紙なども使われますが、質問項目や回答の選択肢、分類する点数の境目まで一律ではありません。2015年の「On the use (and misuse?) of the Edinburgh Handedness Inventory」でも、使用された項目・回答形式・分類方法の違いが検討されています。

あなた自身の手の使い方を伝えるときも、「箸は左、書くのは右」のように動作を添えると、右か左かの二択より伝わりやすいですよ。

対象者や矯正の経験が違う

左利きはなぜ少ないと言われるのか

年齢層や男女の構成、調査を行った時代などが違えば、回答者の条件も変わります。書く手を左から右へ変えた人がいる場合、現在の書く手を聞く調査と、もともとの好みまで聞く調査では、同じ結果になるとは限りません。

2020年のメタ分析の考察(PDF)は、左手を使うことへの文化的な圧力も割合を左右する要因として論じています。ただし、左利きが約1割にとどまる理由のすべてを、矯正や道具の作りだけで説明した研究ではありません。ある年代の割合が低いだけで、その全員が矯正されたとも判断できません。

数字を読む際は、国や世代の特徴を決めつける前に、誰に、いつ、何を質問した調査なのかを確認するのが先です。

割合から分かることと、別に調べたい疑問

少数派という数字は能力を測った結果ではない

左利きの人は頭がいいと言われるのはなぜ?

左利きが少数派だと分かっても、それだけでは頭のよさ、創造性、性格については分かりません。この記事で紹介した割合は、主にどちらの手を好んで使うかを集計した数字です。利き手の割合から、右利き・左利きそれぞれの能力まで読み取らないようにしましょう。

少数派だからこそ、自分に合う使い方を大切にしていきたいですね。文房具や料理器具などでは、割合の大小より、あなたが使いやすいかどうかが大切です。

左利きが生まれる理由や発達は別の記事へ

「なぜ左利きになるのか」は、割合を数えることとは別の疑問です。遺伝や発達に関する研究と、まだ分かっていない部分については、左利きはなぜ生まれるのかを調べた記事で整理しています。

子どもの手の使い方が気になるあなたには、利き手はいつから分かるのか、兆候の見分け方も参考になります。大人を中心とする約10%の推定だけで、幼い子の利き手を判定することはできません。

犬や猫にも利き足の偏りはある?

人間特有?動物も左利きがあるの?

犬や猫にも、どちらかの前足をよく使う傾向を調べた研究があります。Ocklenburgらの2019年のメタ分析は、猫と犬の前足の好みを扱っています。動物の結果を、人間の左利き約10%と同じ意味で比べることはできません。

調べる動作や観察方法は、犬の利き手を調べる方法と左利きの猫の割合と前足の使い方で確認できます。人間の割合の話と、犬猫の観察は分けて読むと分かりやすいですよ。

まとめ:左利きの割合は出典と分類を添えて読む

  • 世界の目安は約10%。2020年のメタ分析では、約240万人のデータから10.6%と推定されています。
  • 日本の左利き9.5%は、インテージが公開した15〜59歳のモニター500人の調査結果です。
  • 左利きだけを数えるか、混合利きなどを含む「非右利き」を数えるかで割合が変わります。
  • 国や年代の数字を比較する前に、対象者・調査年・質問内容・分類の条件を確認しましょう。

「左利きは何%?」に答えるなら、まずは「おおむね1割」が目安です。詳しく紹介するときは、数字だけを切り取らず、どんな調査の結果なのかを一緒に伝えてくださいね。

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