ゴルフ界において、左利きのプロゴルファーは、なぜこれほど少ないのでしょうか。
世界のゴルフ人口の中でも左打ちの割合はわずか数パーセントにとどまり、左利きで活躍するプロゴルファーは限られています。
しかし、男子ツアーではフィル・ミケルソンやバッバ・ワトソンなど、有名なゴルフ選手がレフティとして大きな実績を残しており、左利きのプレーが必ずしも不利でないことを示しています。
一方で、女子プロゴルファーの中には左打ちの選手がほとんどおらず、その背景には文化や練習環境の違いがあると考えられます。
また、左利きで右打ちを選ぶ選手も多く、たとえばタイガーウッズは左利きでありながら、右打ちで成功した選手も存在します。
左利が右打ちすることが有利に働くこともあれば、左利きで右打ちは飛ばない・・といった疑問が持たれることもあります。
本記事では、トッププロとして活躍するレフティプロゴルファーの事例や、左利きがゴルフで有利になる点・不利になる点を幅広く解説します。
左利きでプロゴルファーを目指す方、または左利きでゴルフを始めたい方に向けて、現実的な情報をお届けします。
さらに、レフティの有名人として知られる選手たちの紹介も交え、左利きのプロゴルファーが持つ可能性に迫ります。
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左利きのプロゴルファーが少ない理由と現状
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世界や日本で活躍する左利きの有名なゴルフ選手
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左利きでゴルフをすることの有利・不利な点
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左利き右打ちのプロゴルファーの実例とその特徴
左利きのプロゴルファーは多いのか?検証
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プロゴルファーの左利きの割合とは
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左利きの男子プロゴルファー
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左利きの有名なゴルフ選手を紹介
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トッププロの実績
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タイガーウッズは左利きって本当?
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左利きプロゴルファーの日本人は?
プロゴルファーの左利きの割合とは
ゴルフ界において、左利きのプロゴルファーは極めて少数派です。
一般的に、世界人口のおよそ10%が左利きとされていますが、プロゴルファーにおける「左打ち」の割合は、さらに低く約3〜5%程度にとどまっています。
つまり、左利きの中でも、多くの人が右打ちでプレーしている現状があるのです。
このような状況が生まれる背景には、いくつかの要因が関係しています。まず第一に、ゴルフ道具の流通が大きく影響しています。
ゴルフクラブやグローブといった用具は、右打ち用が圧倒的に多く流通しており、左打ち用のモデルは限られた種類しか手に入りません。これにより、幼少期や初心者の段階で右打ちを選択せざるを得ない左利きの選手が多くなります。
また、練習環境の整備状況も見逃せません。ゴルフ練習場に設置されている打席のほとんどが右打ち用に設計されており、左打ち用の打席は数えるほどしかありません。
そのため、左打ちでの継続的な練習が難しく、自然と右打ちに転向する流れができてしまっています。
さらに、コース設計自体も右打ちプレーヤーを前提にしていることが多いため、左打ちには不利なレイアウトも存在します。
例えば、スライスのミスショットを想定して右側に広くスペースが確保されているホールなどは、左打ちの選手にとっては逆効果になる場合があります。
このような環境面での制約が、左打ちのプロゴルファーを少数派に留めている要因です。
とはいえ、近年ではゴルフ用具メーカーが左打ち用クラブの開発に力を入れるようになっており、練習場やスクールでもレフティを意識した環境整備が進みつつあります。今後は、左打ちのプロゴルファーが少しずつ増えていく可能性も十分にあるでしょう。
左利きの男子プロゴルファー
男子プロゴルフ界において、左利きで左打ちの選手は少ないながらも確かな実績を持っています。特に米国PGAツアーでは、数々の左打ち選手が優勝を重ねており、決してマイノリティ=弱者ではないことが明らかです。
代表的な選手としては、フィル・ミケルソンが筆頭に挙げられます。ミケルソンは通算45勝を誇り、マスターズや全英オープンなどのメジャー大会でも勝利を収めている伝説的レフティです。また、バッバ・ワトソンも同様に2度のマスターズ優勝経験を持ち、ツアー屈指の飛ばし屋として知られています。
さらに、ブライアン・ハーマンは2023年の全英オープンで優勝し、左打ちゴルファーの存在感を再び印象付けました。他にも、マイク・ウィアー(2003年マスターズ優勝)、ボブ・チャールズ(1963年全英オープン優勝)といったメジャー覇者が歴代の左利き選手として名を連ねています。
一方、日本男子ツアーでは、左打ちのプロは依然として希少です。その中でも注目を集めているのが細野勇策選手です。彼は20歳という若さで男子ツアーに本格参戦し、レフティとして注目されています。また、過去には羽川豊選手もレフティとしてツアー5勝を挙げた実績があります。
このように、世界的には左利きの男子プロゴルファーが着実に結果を残しており、その存在はむしろ「個性」としてプラスに捉えられつつあります。今後も若手レフティの登場に期待がかかります。
左利きの有名なゴルフ選手を紹介
左打ちで世界的に名を馳せたゴルファーは数多く存在します。彼らはそのプレースタイルだけでなく、結果でもトップクラスの成績を収め、ゴルフ界における「レフティ」の地位を確立してきました。

フィル・ミケルソンはその最たる例です。彼は右利きでありながら、父親のスイングを真似してゴルフを始めたため左打ちになったという逸話があります。ミケルソンはメジャー5勝を含む通算45勝という驚異的な成績を持ち、ゴルフ史に名を刻んだ名選手です。
次に、バッバ・ワトソンも非常に有名なレフティの一人です。彼は自然なスイングとパワフルなショットが持ち味で、2012年と2014年にマスターズを制覇しています。特にトラブルショットからグリーンを狙う独創的なプレーは、多くのファンを魅了してきました。
また、カナダ出身のマイク・ウィアーは、2003年にマスターズを制した実力派のレフティです。これにより、彼はカナダ人として初めてメジャー優勝を成し遂げたゴルファーとして歴史に名を残しました。
さらに、ニュージーランドのボブ・チャールズは、1963年の全英オープンで優勝し、左打ちのプロとして初めてメジャータイトルを獲得した人物です。彼はその後、シニアツアーでも成功を収め、ゴルフ殿堂入りも果たしました。
日本では、羽川豊が左打ちの第一人者として知られています。1980年代に活躍し、マスターズにも出場した彼の実績は、国内レフティゴルファーの草分け的存在といえるでしょう。近年では細野勇策選手も頭角を現しており、今後の成長に期待が高まっています。
このように、左打ちの有名ゴルフ選手は国内外に多数存在し、その中にはゴルフ史に残るレジェンドもいます。左打ちという特性が、選手自身の魅力や個性として評価される時代が確実に広がってきているのです。
トッププロの実績
世界のゴルフ界では、左打ちで結果を残しているトッププロが確実に存在します。特に米PGAツアーでは、左打ちの選手がメジャー大会を制する姿も数多く見られます。つまり、左打ちのプレースタイルが不利であるという印象は、少なくともトップレベルでは通用しないということです。
有名な例の一つが、フィル・ミケルソンの成績です。彼はメジャー大会で5勝を挙げ、うちマスターズ優勝が3回という偉業を達成しています。さらに、ツアー通算45勝を誇り、長きにわたって世界ランキング上位をキープし続けました。ゴルフ史の中でも屈指の成績といえるでしょう。
バッバ・ワトソンもまた、左打ちの代名詞的存在です。彼の魅力はなんといってもその飛距離で、ドライバーの平均飛距離が300ヤードを超えることも珍しくありません。ワトソンは2012年と2014年のマスターズを制覇し、世界ランクも2位まで上昇した実績を持ちます。
また、マイク・ウィアーは2003年のマスターズを勝利し、カナダ人初のメジャーチャンピオンとなりました。その安定したショット力とメンタルの強さは、多くのファンや若手プロの手本とされています。
これらの選手に共通しているのは、単に左打ちであることが目立っているのではなく、技術・戦術・精神力すべての面で世界トップクラスのパフォーマンスを発揮している点です。つまり、左打ちであっても、しっかりと環境を整え、スキルを磨き続ければ、ゴルフの世界で頂点を目指すことは十分可能だという好例といえるでしょう。
タイガーウッズは左利きって本当?
タイガー・ウッズが左利きである、という話を耳にしたことがある方もいるかもしれません。実際には、彼は日常生活では左手を多く使う左利きですが、ゴルフでは右打ちでプレーしています。つまり、「左利き・右打ち」のプロゴルファーということになります。
このスタイルは、彼にとって特別なものではありません。ゴルフでは、左利きの選手が右打ちを選ぶケースは決して珍しくなく、むしろよく見られるパターンです。タイガーの場合、幼いころから右打ちのクラブに慣れていたこともあり、自然とそのフォームが定着したと考えられています。
彼のゴルフスタイルには、左利きならではの身体の使い方が反映されている部分もあります。例えば、ゴルフスイングでは左手主導でクラブを動かすことが重要とされており、左利きの人にとってはこの点が非常に有利に働くことがあります。
ウッズのスイングが非常に安定していて、長年にわたり世界トップを維持できた要因の一つとして、こうした身体の特性が影響している可能性も否定できません。
このように、「利き手」と「打ち方」が一致していない選手は、プロの世界でも少なくありません。むしろ、自身の成長過程や環境によって最適なスタイルを選び、それを磨いてきた結果と言えるでしょう。ウッズのような選手の存在は、左利きだからといって左打ちにこだわる必要はなく、プレーの質を高めることこそが最も重要であるということを教えてくれます。
左利きプロゴルファーの日本人は?
日本国内において、左打ちでプレーするプロゴルファーは非常に少数です。これは単純に左利きの人口が少ないからだけでなく、ゴルフ業界における道具・練習環境・指導体制が、右打ちを前提として作られていることが大きな原因と考えられます。
そんな中でも、実力を発揮して注目されている左利き・左打ちのプロゴルファーが存在します。近年特に話題を集めているのが、細野勇策選手です。
彼は2003年生まれの若手選手で、10代でプロ入りし、すでに男子ツアーでもインパクトのあるスコアを記録しています。特に注目されたのが、2022年に「ISPS HANDA 欧州・日本」で記録した9アンダーの62というビッグスコアでした。
また、1980年代から1990年代にかけて活躍した羽川豊選手も、日本におけるレフティの先駆者です。彼は日本オープンなど複数の公式戦で優勝を飾っており、1982年には日本人としてマスターズに出場し15位に入るという快挙を達成しています。羽川選手はゴルフ中継の解説でもおなじみで、左打ちの価値を広める立役者でもあります。
ただし、国内では左打ち選手の育成が難しい側面もあります。ジュニア時代に道具が揃わなかったり、指導者から右打ちを勧められたりすることで、本来左利きの子どもが右打ちを選ばざるを得ない状況があるのです。
このような現実を受けて、左利きゴルファーへのサポート体制を整えることが今後の課題と言えるでしょう。道具の充実や練習環境の見直しによって、日本人レフティプロがもっと多く誕生する未来は、決して夢ではありません。現在活躍している選手たちは、その先駆けとして期待される存在です。
プロを目指そう!左利きのプロゴルファーは活躍できる
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左利きはゴルフに有利と言われる理由
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不利と言われる現実もある
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左利きが右打ちすると飛ばないのか?
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左利き右打ちで活躍しているプロゴルファーの例
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女子プロゴルファーに左利きが少ない?
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レフティプロゴルファーの日本と海外の違い
左利きはゴルフに有利と言われる理由
ゴルフにおいて、左利きの人が右打ちを選択した場合、「有利になることがある」とよく言われます。これは、単に身体の使い方の違いだけでなく、スイングの構造やクラブの操作性にも関係しています。
まず、右打ちのスイングは「左手主導」で行うことが理想とされています。右利きの人にとっては、利き手とは逆の左手を主軸にスイングを作ることになるため、感覚をつかむまでに時間がかかる場合があります。一方、左利きの人が右打ちを選ぶと、自然と強い左手がクラブをリードする形になるため、体の使い方が理にかなっており、安定したスイングを作りやすいと考えられます。
また、ゴルフでは「目線」も重要です。右打ちではターゲットが左側に位置するため、左利きの人にとっては利き目である左目でボールと目標をとらえやすいという傾向もあります。これにより、アライメント(目標方向への構え)やスイング中の視認性が向上する可能性があります。
さらに、左利きの選手が右打ちを選ぶことで、「右手は添えるだけ」の感覚を自然に取り入れることができる場合もあります。これはスイングを力任せにせず、クラブの動きや体の回転にフォーカスしやすくなるという点で、上達に直結することがあります。
こうした点から、左利きでありながら右打ちでゴルフを始めると、技術的にスムーズなスタートを切れる可能性があるため、有利であると評価されることがあるのです。ただし、それがすべての左利きに当てはまるわけではなく、あくまで一つの選択肢として考えるのが良いでしょう。
不利と言われる現実もある
一方で、左利きのゴルファーが不利な立場に置かれることも事実です。これはスイング技術の問題ではなく、主にゴルフ環境の側面に由来します。
最もよく指摘されるのが、左打ち用のゴルフクラブの選択肢の少なさです。多くのメーカーは市場の需要に応じて右打ち用クラブを中心に商品展開を行っており、左打ち用モデルは一部のシリーズに限られる場合がほとんどです。そのため、初心者が自分に合ったクラブを見つけるのが難しく、試打も限られた範囲にとどまってしまいます。
練習環境にも問題があります。ゴルフ練習場の打席は、右打ちを想定して作られていることが多く、左打ち用の打席は数が限られている上、左右どちらにも対応できる「両打ち」打席は最も端にあるケースが一般的です。これにより、練習のたびに待たされる、または希望する打席で練習できないといった不便が生じます。
さらに、コース設計も右打ちのミス傾向(主にスライス)を想定して設計されていることが多く、左打ちのミス(フック)には対応していないレイアウトもあります。例えば、右側に池やバンカーが配置されているホールでは、左打ちのミスが大きなペナルティにつながることもあります。
このように、技術的な不利というよりは、道具や環境の制限によって、左打ちゴルファーは不便な状況に置かれていることが多いのです。それでも近年は改善の動きも見られるため、レフティへの理解とサポートが進めば、こうしたハンデも少しずつ解消されていくと期待されています。
左利きが右打ちすると飛ばないのか?
左利きの人がゴルフで右打ちを選んだ場合、「飛距離が出にくいのでは?」といった声を耳にすることがあります。しかし、これは必ずしも正確ではありません。実際のところ、飛距離に影響を与える要素は、利き手よりもスイングフォームや体の使い方に強く依存します。
まず確認しておきたいのは、右打ちの場合でもスイングは「左手主導」が基本です。つまり、左利きの人が右打ちをすることで、利き手である左手がリード役となり、スイングの理想形を自然に実現しやすいというメリットがあるのです。むしろこの場合、力みが減り、効率的にヘッドスピードを出せる可能性があります。
ただし、飛ばないと感じてしまうケースもゼロではありません。例えば、慣れない動きに対して筋肉の使い方が不自然であったり、右打ちのフォームに違和感を持ったまま練習を続けた場合、結果としてスイングの力が十分に伝わらず、飛距離が出ないことはあります。また、身体の柔軟性や可動域の左右差も飛距離に影響します。
一方で、左打ちのクラブに比べて右打ちのクラブの方が選択肢が多く、最適なセッティングが見つけやすいという利点もあります。適切なクラブ選びができれば、飛距離不足を感じることは少なくなるでしょう。
総じていえば、左利きの人が右打ちを選んだからといって、飛ばないとは限りません。むしろ、正しいスイングメカニズムを理解し、自分の体に合ったクラブを選べば、利き手の強みを活かして飛距離を伸ばすことも十分可能です。重要なのは、自分に合ったスタイルを見つけ、それを継続的に磨いていくことに尽きます。
左利き右打ちで活躍しているプロゴルファーの例
左利きでありながら、右打ちでプレーしているプロゴルファーは実は少なくありません。彼らは左手の感覚や力をスイングに効果的に活かし、トップレベルの実績を残しています。このプレースタイルは、利き手を支点に安定したスイングを実現できるという点で、高く評価されています。
まず代表的な例として、タイガー・ウッズが挙げられます。彼は普段の生活では左手を使うことが多い左利きですが、ゴルフでは一貫して右打ちを選んでいます。そのスイングは左手主導で理想的な形を保ち、世界ランク1位に長年君臨した実績を持ちます。彼のように、左利きが右打ちを選ぶことで体の使い方に自然な一貫性が生まれる場合もあります。
ジョーダン・スピースも左利きでありながら右打ちのプロです。彼はパッティングやショートゲームにおいて、左手の繊細な感覚を活かして高い精度を発揮しています。事実、彼はメジャー大会で3勝を挙げ、世界のトッププレーヤーの一人として評価されています。
また、ジャック・ニクラウスも日常では左利きである一方、右打ちのスタイルで長年活躍しました。彼はメジャー大会18勝という前人未到の記録を持ち、そのプレーぶりは今なお多くのゴルファーの模範となっています。
このように、左利き・右打ちのスタイルで成功している選手は非常に多く、むしろ主流とさえ言える状況です。クラブや練習環境が右打ちに最適化されていることもあり、左利きでも自然と右打ちに移行するケースは多いのです。
このスタイルが成功する鍵は、スイング時に利き手を「支える役割」として活用できるかどうかにあります。つまり、力任せではなく、感覚と制御を重視したスイング構築ができれば、左利き右打ちというスタイルはプロレベルでも十分に通用するということです。
女子プロゴルファーに左利きが少ない?
女子プロゴルファーの世界では、左打ちでプレーする選手がほとんど見られません。その理由は、単に「左利きの人が少ない」からというだけでは片づけられません。実際、データによると、左利きの人口において男性が女性よりも圧倒的に多いことが分かっています。左利きの男女比はおおよそ4対1とも言われており、これはゴルフに限らず、他の分野でも確認されている傾向です。
さらに、女性の左利きが幼少期に右利きへと矯正されるケースも少なくありません。学校や家庭での習慣、周囲の影響によって、「右手で持つのが普通」とされてしまい、自然と右手での動作が身についてしまうのです。その結果、ゴルフを始める際にも右打ちを選択する流れができあがっていると考えられます。
また、女子ゴルフ界では使用するクラブや練習環境の選択肢が、男性に比べても限られている場合があります。もともと数が少ないレフティ用のクラブに加えて、女性用レフティモデルとなると、さらに供給は絞られてしまいます。このように、実用的な面でも左打ちを選ぶハードルは高くなってしまうのです。
結果として、女子のプロツアーでは左打ちの選手を見かける機会はごくわずかになります。例外的に、アプローチや特定のショットだけを左打ちで行う変則スタイルの選手はいますが、基本的にスイング全体を左で行う女性プロはほとんどいません。
今後、左利きの女子選手がもっと増えていくためには、ジュニアゴルファーの段階から「利き手に合ったプレースタイルを尊重する」という文化が根づくことが重要です。それに加え、女性向けのレフティクラブの開発や、練習環境の整備も不可欠です。こうしたサポート体制が整えば、将来的に女子プロの左打ち選手も少しずつ増えていくかもしれません。
レフティプロゴルファーの日本と海外の違い
日本と海外では、左打ちのプロゴルファー(レフティ)に対する環境や文化が大きく異なります。これが、両者におけるレフティ選手の数や活躍の度合いに明確な差を生んでいるのです。
まず海外、特にアメリカをはじめとする欧米諸国では、左打ちというスタイルが比較的自然に受け入れられています。PGAツアーでは、フィル・ミケルソンやバッバ・ワトソンなど、左打ちの選手が堂々と活躍しており、レフティに対する偏見はほとんど見られません。道具面でも、レフティ専用のクラブが多く流通しており、ジュニア世代の頃から左打ちでゴルフを始めることがしやすい環境が整っています。
一方、日本ではこれまでの長い間、「右打ちが当たり前」という文化が根強く存在してきました。特にジュニアゴルファーの指導現場では、「道具がないから」「練習場に左打席がないから」という理由で、左利きの子どもが右打ちに矯正されるケースが多々あります。これにより、結果的に左打ちのプロが育ちにくい土壌が形成されてしまっているのです。
また、日本の練習場では、左打ち対応の打席数が非常に限られており、混雑時には左利きのプレーヤーが練習できないこともあります。これも、日常的なモチベーション低下の一因となり得ます。
さらに、クラブの品揃えにも大きな差があります。日本国内のゴルフショップでは、左打ち用クラブはほんの数モデルにとどまることが多く、フィッティングサービスも右打ち前提の内容が中心です。その点、海外では左打ちのニーズが一定数存在するため、豊富なラインナップがそろっており、個々のスイングに合わせたクラブ選びが可能です。
このように、文化・環境・設備面の違いが、レフティプロゴルファーの数と質の差につながっています。今後、日本でも左利きプレーヤーを積極的に支援する制度や風土が広がれば、海外と同じようにレフティが活躍する舞台が増えていくと期待できます。今まさに、価値観の転換が求められている時代といえるでしょう。
左利きのプロゴルファーに関する総まとめ
最後に、本記事のまとめを総括していきます。
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左利きのプロゴルファーは全体の3〜5%程度と少数派
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世界人口の約10%が左利きだが、ゴルフ界ではさらに割合が低い
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左利き用のクラブやグローブの選択肢が少ない
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練習場に左打ち用打席が少なく、環境面で不利
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ゴルフコースは右打ち前提で設計されている場合が多い
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米PGAツアーでは左打ち選手が複数のメジャーを制覇している
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フィル・ミケルソンは通算45勝を挙げた代表的な左打ちプロ
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バッバ・ワトソンはマスターズを2度制し飛距離でも注目された
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日本の男子ツアーでは細野勇策や羽川豊が代表的なレフティ
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左利きで右打ちを選ぶプロも多く、タイガー・ウッズもその一人
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左利き右打ちは左手主導の理想的なスイングを実現しやすい
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女子プロでは左打ち選手が極めて少なく、環境整備が課題
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海外では左打ちに対する理解と道具環境が比較的整っている
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日本では文化的背景や指導方針が右打ちを推奨しがち
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左利きの不利を克服すればプロとしての成功も十分に可能
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