左利きの子供用ハサミを探していて、「左手用」と「両手で使える」のどちらを選べばいいか迷っていませんか。
選ぶときのポイントは、持ち手だけでなく刃の構造を見ることです。左手用ハサミは右手用と刃の重なりが逆。一方、両手で切りやすく工夫した製品でも、刃の重なりは右手用と同じ場合があります。
この記事では、その違いと子どもに合うサイズの見方を整理し、実在する4製品をメーカーの仕様で比較します。使いやすさの順位ではなく、「開く力を補助してほしい」「左手で線を見ながら切りたい」など、あなたの目的に合わせて選べる内容です。
- 左手用と両手用は、持ち手と刃を分けて確認する
- 子ども用は対象年齢の表示に加え、指穴と開閉のしやすさを見る
- 同じシリーズでも右手用と左手用があるため、型番まで照合する
左利きハサミと両手用の違い

左手用は刃の重なりが逆
右手用と左手用の大きな違いは、2枚の刃が重なる向きです。左手用はその配置が左右反対になっており、左手で使う人に合わせて作られています。メーカーのFiskarsも、左手用の特徴として反転した刃と左手に合わせたハンドルを挙げています。(出典:Fiskars「Left-handed scissors」)
切る線が刃で隠れていないかも大事ですよね。Fiskarsの子ども用シリーズでは、左手用の刃を採用する理由として切る位置の見やすさを説明しています。線に沿った工作で選ぶなら、握れるかだけでなく、左手で持った状態で切り進む位置を見やすいか確認したいところです。(出典:Fiskars「Kids Scissors & School Tools」)
ハサミは2枚の刃がすり合うことで切れます。刃の間に隙間ができると、紙などを噛み込みやすくなります。コクヨの開発説明でも、利き手に合わないハサミでは刃をすり合わせるために余分な力や調整が必要になることが示されています。(出典:コクヨ「サクサ」リニューアルの説明)
紙が折れる、切り進めない、線が見えないときは、子どもの器用さだけで判断しないでください。まず刃の向き、持ち手のサイズ、切る材料が合っているかを確認しましょう。汚れや刃の状態も、切りにくさの原因になります。
左右対称の持ち手と両手で切れる設計
持ち手が左右対称なら、左右どちらの手でも握りやすくなります。ただし、持ち手の形が同じでも、刃まで左手用になるわけではありません。商品名に「両利き」「両手用」とあっても、何を両手に対応させたのかを商品説明で確認しましょう。
具体例が、コクヨの現行「サクサ」です。ハンドルに対して刃を傾ける「傾斜インサート」によって、開閉時に刃の隙間が発生しにくいよう工夫しています。メーカーは利き手を問わず切りやすいと案内しつつ、基本構造は右手用ハサミと同じと明記しています。(出典:コクヨ「サクサ ハイブリッドアーチ刃」)
こうした共用設計の製品は、家族が同じハサミを使うときの候補になります。一律に「左手用より劣る」「幼児の仮の1本」と決める必要はありません。切れる仕組みと線の見え方を分けて、本人が無理なく使えるかを見てあげると選びやすいですよ。
| 確認する部分 | 左手用ハサミ | 両手で使える製品 |
|---|---|---|
| 刃の重なり | 右手用と左右反対 | 右手用と同じ場合もある。製品ごとに確認 |
| 持ち手 | 左手に合わせた形や子ども向けの形 | 左右対称などの工夫。形だけで刃は判断できない |
| 選ぶ場面 | 左手で線を見ながら切るための候補 | 家族で共用するなどの候補。左手での使い心地も確認 |
なお、世界の左利きの割合は約1割とされています。(出典:Scientific Reports「A large-scale population study of early life factors influencing left-handedness」)ハサミ以外にも道具の向きが気になるなら、左利きが日常で感じる不便と対策も参考にしてみてください。
子ども用は年齢・手の大きさ・用途で選ぶ
ハサミはいつから使わせる?
「左利き用ハサミはいつから持たせればいいの?」という相談もよくあります。年齢だけで一律に決めるより、まず製品の対象年齢を確認し、そのうえで大人と一緒に扱えるかを見てあげたいところです。
例えば、クツワ「きっちょん」は公式に2歳から使える製品として紹介されています。これはその製品の案内であって、すべての子ども用ハサミが2歳から使えるという意味ではありません。(出典:クツワ「教育はさみ きっちょん」の機能紹介)
対象年齢を満たしていても、一人で使わせる目安にはしないでください。ハサミを振り回さず座って使えるか、大人の声かけで手を止められるか、開閉を無理なくできるかを確認し、最初は短い時間から試すとよいかなと思います。
利き手をどう扱うか迷う場合は、ハサミだけの問題と決めず、園や学校にも普段の様子を聞いてみましょう。左利きの矯正を考える際の注意点と対応策でも、周囲の関わり方を整理しています。
指穴と開閉のしやすさを確認
全長が短ければ必ず子どもに合う、とは限りません。親指の穴が大きすぎてぐらつかないか、他の指が窮屈でないか、持ち手を開くときに指が抜けないかを見ます。実物を持てるなら、刃を安全に扱える大人と一緒に確認しましょう。
開く動作が難しい子には、スプリングで開きを助ける製品が候補になります。反対に、開閉できていて園や学校の工作に使うなら、刃渡り、切れる材料、キャップの有無を比較したいところです。
丸い刃先やカバーは安全への配慮ですが、「指が切れない」保証ではありません。切れ味を落とせば安心とも限らないので、子どもの手に合う道具と大人の見守りをセットにして選んでください。
左手用3製品と共用向け1製品を比較

以下は2026年10月8日に確認したメーカーの公式仕様です。きっちょんは初めての開閉練習、学習はさみ2製品は工作、現行サクサは共用という観点で並べています。人気順や実際に使った評価の順位ではありません。
「年齢の数値表示なし」は、確認した公式商品紹介ページに何歳からという記載がなかったものです。購入時には現物のパッケージと注意書きも確認してください。価格・送料・在庫は販売店で変わるため、ここでは仕様を比較します。
| 製品・型番 | 利き手・年齢表示 | サイズ | 刃・持ち手の特徴 | 選ぶ理由 |
|---|---|---|---|---|
| クツワ きっちょん SS117L(イエロー) | 左手用 2歳からの表示 | 高さ135×幅61×厚さ12mm 27g | カバー付きのステンレス刃。丸い刃先と押し切り刃。持ち手のスプリングが開きを補助 | 刃を開く動作の補助が欲しいとき |
| コクヨ エアロフィットサクサ・キッズ ハサ-PL270Y(黄) | 左手用の学習はさみ 年齢の数値表示なし | 全長142×幅65mm(キャップなし) 刃渡り55mm | ステンレスのグルーレス刃。エアークッション構造の持ち手。丸い刃先と収納キャップ | テープやシールを使う工作と、持ち手のクッションを重視するとき |
| プラス フィットカットカーブ ジュニア SC-145ML(イエロー) | 左手用の子ども向け製品 年齢の数値表示なし | 長さ144mm 刃渡り52mm | ステンレス刃にフッ素コート。低反発グリップ。丸い刃先と表裏を選ばず装着できるキャップ | 握った感触やキャップの付けやすさを比較したいとき |
| コクヨ サクサ スリム・グルーレス刃 HSM-PA120LG(ライトグリーン) | 利き手問わず 刃構造は右手用と同様 年齢の数値表示なし | 全長156×幅64mm 刃渡り60mm | 左右対称の小さめ持ち手。ステンレスのグルーレス刃と傾斜インサート | 子ども専用の左手用とは分けて、家族で共用する1本を検討するとき |
仕様の出典:クツワ「きっちょん」、コクヨ「エアロフィットサクサ・キッズ 左手用」、プラス「フィットカットカーブ ジュニア」アイテム一覧、コクヨ「サクサ スリム・グルーレス刃」。
きっちょん:開く動作を助けたい子に
SS117Lは、黄色い左手用モデルです。公式パッケージ画像には「左手用」「2さいから」の表示があります。同じシリーズには右手用もあるため、色名だけでなく型番まで確認してください。
開く力を補助するスプリングと、刃を覆うカバーが特徴です。プラスチック刃ではなくステンレス刃なので、「幼児向けだから樹脂刃」と思い込まず、製品の仕様で選びましょう。練習中も大人がそばで見守ってください。
学習はさみ2製品:握り心地を比べる
エアロフィットサクサ・キッズはエアークッション構造の持ち手、フィットカットカーブ ジュニアは低反発グリップを採用しています。長さは142mmと144mmですが、2mmの差だけで判断せず、指穴に手が収まるかを比べるのがおすすめです。
どちらも粘着物への対策がありますが、コクヨは刃の構造、プラスはフッ素コートと仕組みが違います。使う材料に合うかは公式説明で確認し、手の疲れ方や切れ味に順位を付けずに選びたいところです。(参考:プラス「フィットカットカーブ ジュニア」の特徴)
サクサ:家族で共用する候補
HSM-PA120LGは小さめの左右対称ハンドルと、刃の隙間を抑える仕組みを組み合わせた製品です。子ども用の左手用ハサミとは用途を分けて、家庭で共用する選択肢として比較すると分かりやすいですよ。
「サクサ」という名前だけで、すべての型番に同じ仕組みがあるとは判断しないでください。今回の比較対象はHSM-PA120LGです。また、左手用の刃が必要な場合は、表のハサ-PL270Yと取り違えないようにしましょう。
買う前の確認と安全な使い方
通販では型番・本体寸法・送料を見る
通販では、まずメーカー名と型番を照合します。シリーズ名が同じでも左右のモデルが混在するため、「左手用」の選択欄まで確認してください。画像だけでは違いが分かりにくいこともあります。
サイズ欄が本体寸法か包装寸法かも要チェックです。きっちょんの場合、本体の高さは135mmですが、包装は182mm。パッケージの大きさをハサミ自体のサイズと取り違えると、届いたときの印象が変わってしまいます。
口コミは補足として、使う子の年齢、利き手、切った材料が書かれたものを参考にするとよいかなと思います。個人的には、良い点も気になる点も書いているレビューを優先して見るのがおすすめです。ただし、口コミから対象年齢や安全性を決めず、メーカーの案内を先に確認してください。
学校指定の道具がある場合は持ち込みの可否も確認しましょう。購入先を決めるときは本体価格だけでなく、送料を含めた総額、キャップなどの付属品、返品条件も見ておくと安心です。
100均でも同じ項目で比較する
「まずは百均の左利き用ハサミで様子を見ようかな」と考える方も多いと思います。私も、日常的に左手で工作する子には、メインの1本として専用の学習ハサミをおすすめしたいという考えです。ただし、価格だけで製品の切れ味や耐久性を決めることはできません。
100均で選ぶ場合も、左手用なのか、持ち手だけが左右対称なのか、年齢や使用材料の表示があるかを確認します。今回、特定の100均製品を使って比較したわけではないため、「刃の合わせが甘い」「長く使えない」と一律に評価する根拠はありません。
短い直線を切って試すときも大人と一緒に。うまく切れなければ、力を入れ続けるより道具や材料を見直しましょう。「切れない=あなたが悪い」ではなく、「このハサミが合ってないだけかもしれないね」と伝えてあげたいところです。
左手で持ち、短い直線から練習
持ち方は製品の案内を優先し、親指と他の指をそれぞれの指穴に入れます。穴の形や大きさは製品で違うので、必ず「小さい穴が親指」と決めつけず、持ち方の表示を一緒に確認してください。
初めは切りやすい紙に短い直線を描き、左手で開閉しながら右手で紙を支える練習から始めます。曲線ではハサミを大きくねじるより、紙の向きを少しずつ変えると進めやすいですよ。紙を支える指が刃の進む先に来ないように見守りましょう。
最初から線の上をぴったり切ろうとせず、「線を残しながら切るよ」と声をかけるのもよいかなと思います。まっすぐ切れるかだけでなく、「自分で切れた」という成功体験を積み重ねたいですね。
- ハサミを持って歩かず、座って使う
- 刃先を自分や人に向けない
- 使わないときは刃を閉じて置く
- 髪、服、コードなどを切らず、製品が対応する材料に使う
園や学校で右手用だけが用意されているなら、家庭で使う型番と、線が見えにくい・紙を噛み込むといった具体的な困りごとを先生に伝えてみてください。道具の違いを共有しておくと、対応を相談しやすくなります。
大人と共用するときは用途を分ける

左利きの親子でも、手の大きさや使う材料まで同じとは限りません。刃が長く指穴も大きいハサミを、子どもが無理に使う必要はありません。基本的には子ども用と大人用を1本ずつ用意し、共用する場合は大人と一緒に使うのが安心かなと思います。
紙用・布用などの用途を確認し、対応していない硬い材料を無理に切らないでください。大人が材料を押さえる場合も、指を刃から十分に離します。終わったらキャップなどを使って収納し、子どもが一人で取り出せない場所に保管しましょう。
左利きの子の「できない」「遅い」を、能力の問題と決めつけないことも大切です。左利きと理解の速さをめぐる思い込みでも触れていますが、まず道具や環境が合っているかを一緒に見直してあげたいですね。
子どもに合う1本を選ぶために
左手用ハサミは、単なる「利き手が違う人向けの道具」ではなく、左利きの子供が自分のペースで成長していくための大事なサポーターだと感じています。
刃を開く動作に補助が必要ならきっちょん、左手で工作するための学習はさみならハサ-PL270YとSC-145ML、家族で共用するならHSM-PA120LGというように、目的から候補を絞ってみてください。その後に指穴、開閉、線の見え方を確認すると判断しやすくなります。
園や学校では両手で使える製品を使うとしても、家には左手用ハサミを1本置いておくという選び方もあります。両方が必要かは、本人の使いやすさを見て決めてよいかなと思います。
使い方や手の動かし方に不安がある場合は、普段の様子を知る保育士や教師に相談してみましょう。子どもに合う道具と見守りで、あなたとお子さんの工作時間が今より楽しくなると嬉しいです。

